ひじの痛み
● テニス肘(上腕骨外側上顆炎:じょうわんこつがいそくじょうかえん)
原因・病態
物をつかんで持ち上げるような動作をすると肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。多くの場合、安静時の痛みはありません。タオルを絞る時などにも痛みが出ます。
原因
中年以降のテニス愛好家に生じやすいのでテニス肘と呼ばれていますが、一般的には年齢とともに腱が傷んで発症します。病態については十分わかっていませんが、手関節の中で主に短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん:手首を伸ばす働きをする筋肉)の起始部が 肘外側部で障害されるのが原因と考えられています。
● 野球肘
症状
成長期にボールを投げ過ぎることによって起こる肘の障害です。投球時や投球後に肘が痛くなります。肘の伸びや曲がりが悪くなり、急に動かせなくなることもあります。
原因・病態
繰り返しボールを投げることによる肘への過剰な負担が原因です。肘の外側では骨どうしがぶつかって骨と軟骨がはがれることもあります。肘の内側では靭帯や軟骨が傷みます。
● 上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ)
症状
肘の部分に激しい痛みと腫れがあり、痛くて肘が動かせないと、この骨折を疑います。骨折片で神経や血管を損傷すると、手や指がしびれて動かせなくなることもあります。
原因・病態
多くは転んで手をついた際、肘が反って肘の部分で骨折します。子供によく見られる骨折です。
● 肘内障(ちゅうないしょう)
症状
子供が手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたままで動かさなくなります。
原因・病態
靭帯から肘の外側の骨(橈骨頭:とうこっとう)がはずれかかることにより起こります。5歳以下の子供に多く見られます。
● 離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)
症状
関節軟骨が押されたときに、強い痛みを生じます。
原因・病態
軟骨が骨ごとはがれてしまう病気です。肘関節によく見られます。野球の投球などによる肘関節への過剰な負荷が原因ですが、他の関節では原因のわからない場合も少なくありません。