首・肩の痛み
● 肩コリ
原因・病態
首すじ・首の付け根から、肩または背中にかけて張った・こった・痛いなどの感じがします。
頭痛や吐き気を伴うこともあります。
原因
首や背中が緊張するような姿勢での作業をする仕事・姿勢の良くない人(猫背・前かがみ)・運動不足・精神的ストレス・なで肩・連続する長時間の同じ姿勢・ショルダーバッグ・冷やし過ぎなどが原因です。
● 頸椎症(けいついしょう)
症状
局所症状として、首・肩甲骨付近の痛みや肩コリなどを生じます。神経根(脊髄の枝)症状として、主に片方の首~肩~腕~手にかけて痛み・シビレ・力が入りにくいといった症状も生じます。
また、脊髄症状として、両方の手足がしびれたり動きが悪くなったりします。進行すると排尿・排便に異常が出たり、ボタンがかけづらくなる・階段を降りるのがこわくなるなどの症状も生じます。
原因・病態
不良姿勢・繰り返す重量物の持ち上げ・頸椎に負荷のかかる運動などが原因です。
椎間板が変性して骨が変形し、骨棘(こつきょく)となって神経根に触れると神経根症となります。
また、靭帯の厚みが増してきて脊髄の通り道が窮屈になり、脊髄症となります。
● 頸椎椎間板ヘルニア
症状
首や肩甲部、上肢に痛みやしびれが走ったり、ハシが使いづらくなったり、ボタンがかけづらくなったりします。
進行すると足のもつれ・歩行障害が出ることもあります。まれに排尿障害や狭心症に似た胸部痛も見られます。
原因・病態
椎間板が加齢などで変性し、後方へ突出して起こります。
30~50代に多く、しばしば誘因なく発症します。悪い姿勢での仕事や、スポーツなどが誘因となることもあります。
● 五十肩(肩関節周囲炎)
症状
肩関節を動かす時に痛みが出ます。夜間の寝返りや腕の位置によって痛みが出て眠れないこともあります。
原因・病態
中年以降、特に50歳代に多く見られます。関節を構成する骨・軟骨・靭帯や腱が老化して肩関節周辺の組織に炎症が起こることが主な原因です。
関節包や肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)が癒着すると、さらに動きが悪くなります(凍結肩)。
● 肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ)
症状
動かすときの痛み・夜間の痛みがあります。五十肩と違うのは、関節の動きが硬くなることが少ないことです。
そのほかに、腕を上げるときに力が入らない・肩の前上面でゴリゴリ音がするなどの症状が見られます。
原因・病態
40歳以上の男性・右肩によく見られます。転倒して肩をついたなど、明らかな外傷によるものは約半数で、残りは原因がはっきりしません。
若い年齢では、野球の投球で不全断裂することがあります。